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インフラ強化によりGIGAスクール構想を実現し「学びのイノベーション」を

東京都狛江市役所の写真
自治体名
東京都狛江市教育委員会
利用サービス
GIGAスクール対応教育機関専用インターネット回線
GMO光アクセス for Education
サービス導入履歴
2021年1月より

東京都狛江市教育委員会は、2020年4月からGIGAスクール構想の実現に向けて取り組んでいます。子どもたちに1人1台のタブレット型情報端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備。さらには、地道に取り組み、蓄積されてきた授業を実践し、GIGAスクール構想の実現による学びのイノベーションを目指しています。
狛江市教育委員会がGIGAスクール構想の実現にあたって、インフラとして取り入れたのがGIGAスクール対応教育機関専用インターネット回線「GMO光アクセス for Education」です。このサービスは、狛江市が目指す「学びのイノベーション」の基盤となっています。
今回は、狛江市教育委員会のみなさまにインフラ強化の背景や理由、さらにはGMOインターネット株式会社が提供しているサービスの導入についてお話を伺いました。

GIGAスクール構想の実現の第一歩となったインフラ強化

GIGAスクール構想の実現にあたって、インフラ強化の実行を考えた背景・理由を教えてください。

小嶺:国が実施するGIGAスクール構想を前倒しするということで、2020年4月に急遽、子どもたちに1人1台のタブレット端末を配備しようという方針を教育委員会で決めました。2020年6月の議会の承認を経て、2020年9月末に子どもたち全員にタブレット端末が行き渡り、それと同時並行して環境の整備も進め、2021年1月にGMOインターネットさんのサービスを導入しました。

日野:狛江市では、それまでインターネット回線としてケーブルテレビの回線を使用していました。開始早々から接続状況が悪く、課題となっていました。その課題を克服するためにインフラ強化が急務となり、GMOインターネットさんのサービスを導入しました。2020年10月時点ではGIGAスクール構想用の回線はほぼない状況で、GMOインターネットさんのサービスは通信量の制限もなかったので魅力的でした。

狛江市教育委員会 角田 様(統括指導主事)

子どもたちに1人1台のタブレット型情報端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備していくにあたり、どのような点に留意しつつ整備を進めたのでしょうか。

角田:学校の現場や子どもたちは、タブレットをストレスなく使えて当たり前だと思っています。そこで、環境的にどのようなことがネックになっているのかを確認しながら進めました。インフラの整備は、GIGAスクール構想の実現において第一歩だと思っています。クラスみんなでタブレット端末からアクセスする際に、スムーズに行かないこともあります。そのときに、問題となっているのは回線の部分なのか、ハードの部分なのか、切り分けをしなければいけません。

GMOインターネットさんのサービスを導入したことで、ネットワークの部分においては問題がなくなったので、次はハードの問題を解決するというステップに進んでいます。

吉田:お昼は回線が混み合う時間帯です。学校では4時間目の授業にあたります。例えば、授業でタブレット端末を使いながら調査を進めるものがありますが、混み合う時間帯を避ける必要があるのかなと考えています。さらには、教職員の技術面の問題もあります。タブレット端末を実際に授業で活用する能力です。

また、タブレット端末を活用したうえで、子どもたちにどのような資質・能力が高められるのかも考える必要があります。タブレットがある場合とない場合での子どもたちが得られる力の差を考えることも大切な視点となるでしょう。

例えば、タブレット端末で黒板の写真を撮ることで記録ができます。しかし、従来のノートをとるということも重要だと考えていますので、タブレット端末の活用と並行して、ノートをとることも授業では行っています。大人もそうですが、テクノロジーに頼るとどうしても「書く」という機会は減ります。タブレット端末の活用は大切ですが、「書く」ことにも重点を置き、子どもたちが身につける能力のバランスを図っています。

小嶺:GIGAスクール構想のひとつに「個別最適な学び」というものがあります。それと「協働的な学び」をミックスして「主体的・対話的で深い学び」を実現していきたいですね。いかに授業でタブレット端末を効果的に活用していくかということが基本的な考え方です。

例えば、市内の小学校ではタブレット端末で調べ学習をし、まとめ部分は「書く」ことを実施しています。子どもたちにどのような力が必要なのか考えたうえで、タブレット端末を有効活用していかなければいけないと思っています。

子どもたちの10年後は、我々が想像している世界をはるかに超えたデジタル社会です。そのデジタル社会で、子どもたちがICTを主体的に活用していく力を身につける必要があります。タブレット端末ありきではないですが、デジタル社会を生き抜く力をつけていかなければいけないという難しさは、学校教育のなかで数年にわたって議論の的になるかと思います。そのうえでのキーワードは「デジタル・シティズンシップ教育」になるでしょう。

課題解決のキーワードは「デジタル・シティズンシップ教育」

整備していくにあたり、ぶつかった課題はありますでしょうか。またその解決方法についても教えてください。

吉田:セキュリティ面もですが、インターネット上のトラブルや情報モラルにおいては問題点が多くなりました。デジタル・シティズンシップ教育に基づいて、「まずやってみる」「やりながらトラブルを解決していく」というスタンスを取りました。そして、トラブルや問題点などに対して、子どもたち自らが気づき改善していくことが重要です。

狛江市教育委員会 吉田 様(指導主事)

角田:子どもたちは、タブレット端末を自宅に持ち帰って学習することもあります。例えば、家に帰って時間の制限を守らずにタブレット端末を触っている子どももいます。そのような場合、家のルールに則るのか、学校側が指導するのかという点も課題としてあります。

保護者が決めるルールと学校側が決めるルールの線引きも必要になってきますよね。子どもたちが成長して社会に出たときにどのようにスマートフォンやタブレット端末を扱うのか、その根底の理解は、小中学校の段階で学ぶことが大切だと考えています。

小嶺:家庭と学校の役割分担は必要ですね。タブレット端末の導入によって、学校での学習と家庭での学習の境界がなくなってきています。前日に授業で行う調べ学習などをタブレット端末で行い、学校では「対話的な学び」を行います。これには、家庭の協力も不可欠です。家庭と学校での「学び」のシームレス化にあたり、Wi-Fiがない家庭ではどうするのかという課題はずっとあります。ルーターの貸し出しなどは恒常的にできることではないので、今後解決すべき課題のひとつです。

新たなチャレンジで求められる教職員の進化

GIGAスクール構想を授業で実践していくことは、教職員や教育委員会のみなさまとって新たなチャレンジだったと思います。それぞれみなさまの反応はいかがでしたか。

吉田:ICT機器に興味がある教職員は、当初から非常に意欲的でした。対して、ICT機器に苦手意識がある教職員にとっては、「働き方改革」に逆行する面があったと思います。また、子どもたちにとっては「主体的な学び」につながっています。新たなものに興味を持ち、学びに向かっていく姿勢をとても感じました。

中学生ともなると高校受験を控えているので、タブレット端末での学習が直接受験に結びつかないこともあり、なかには意欲的ではない子どももいます。今後もこの部分が「中学で活用する際の壁」になっていくかと思います。

角田:今後このICT化の流れが衰退することは考えられません。今あるタブレット端末は使うことが目的ではなく、それを用いて何をするのかが大切です。教育のプロである教職員が、子どもたち一人ひとりの適性や能力をしっかりと判断し、それぞれに合った学習方法を授業で実施していくことが求められます。

小嶺:教職員も各々でICT機器を使いこなし、その情報を学校内などで共有しています。さまざまな事例を積み上げていき、共有して一般化していくことが、今は大切だと思っています。子どもたちは当たり前にICT機器を使いこなしますが、大人は努力が必要です。そのような状況で、いかに教職員が進化していくかが問われています。これにあたって、ICT機器の扱いが得意な若い世代に我々が学んで進化していこうとする姿勢がないと、デジタル社会を生きていけないと考えています。

新たなチャレンジのなかで出てきた課題に対して、どのように解決に導いていったのでしょうか。

吉田:教職員のブラッシュアップを図ることを目的として、定期的に学校内で研修を行っています。今回のチャレンジは、いわばガラケーからスマホに変わったシフトと同様と思います。ICT機器を使いこなし、利便性を享受することは大切です。どのように使えばより便利になるのかという点を理解していただくために、研修等でサポートができればと考えています。

角田:子どもたちにとって、情報が溢れているタブレット端末は刺激物にもなります。そのため、集中の妨げになる可能性もあると思います。例えば、教職員が説明をしているときに、タブレットで違うことをしている子どももいます。タブレット端末の活用は当初の予定では4~5年のスパンで行うものでしたが、今回はものすごい勢いで進みました。狛江市にはタブレット端末の活用が進んでいるからこその課題や視点があります。このような点については、これから研究・検証が進んでいくのではないかと考えています。

小嶺:子どもたちはタブレット端末を使っていないときの授業よりも、タブレット端末を使っている授業のほうが集中しています。配慮が必要な子どもがタブレット端末を使って学習がしやすくなっている場面もありますので、タブレット端末は本当に大きな「武器」だと思いました。対面での授業に抵抗があり、学校に来られない子どもたちも、タブレット端末の画面を通して授業に参加できているケースも多々あります。このチャレンジによって、良い方向に向かっているという実感がありますね。

デジタル化を進め主体的・対話的で深い学びを実現

最後に狛江市が描く「学びのイノベーション」のポイントやビジョンについて教えてください。また、GMOインターネットのサービスに今後期待することがあれば教えてください。

吉田:今後は、デジタルドリルや、デジタル教科書の導入を目指していきたいです。費用対効果を考えながら、少しずつデジタル化を進めていければと思います。

角田:5年後、10年後、子どもたちが社会に出たときに、デジタル機器に対してだけでなく、人とのつながりも含めてどのように動くのかが重要です。そのためにも、技術面と心情面の両面を育てていく必要があると考えています。GMOインターネットさんは「社会のインフラ」として、見えない所ではありますが「当たり前のことを当たり前にする」という部分を担ってもらっていると思っています。

角田様 吉田様

小嶺:学校教育においては、対面で「想い」を伝えていくのは当然だと思っています。タブレット端末によってそのワンランク上の「対面+α」が実現しなければいけません。それにあたっては、教職員の考え方の転換が必要です。大人が考え方を変えて、子どもたちと共に学んでいくという姿勢が大切になると思います。ワンランク上の「対面+α」の実現のためにも、GMOインターネットさんのサービスのような社会を下支えするインフラは重要ですね。

日野:GIGAスクール構想で通信環境なども整備しましたが、この先の「学校のカタチ」は変化していくと思っています。今後、さまざまな機器の導入が予想され、それを連携していく必要も出てきます。その際に、できる限り現場の声を反映したいと考えています。また通信の面において、これからも課題が出てくるかと思いますが、今までのようにGMOインターネットさんに寄り添っていただければと思っています。

教育現場の
ICT活用をご支援します

GIGAスクール構想の実現を目指し、デジタル・シティズンシップ教育を推進する狛江市教育委員会。急速にデジタル化が進む教育現場において、今後、課題解決のための柔軟な対応が求められます。GMOインターネット株式会社は、これからも狛江市教育委員会のさまざまなチャレンジをICTの面から支援していきます。

サービスの導入は当社Educationパートナー
「ベルウッド株式会社」様が行っています。

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